朝から降り続く雨が小降りになった頃を見計らって家を出る。
 濡れたサドルを手で拭きながら空を見上げると、雨粒が目に入ってきた。
 脇を行く車に気をつけながらいつもの通りを進む。
 家を出てから5分と立たないうちに雨脚が強くなり、すぐに本降りとなった。
 レインコートを着てこなかったことが悔やまれたが、今更戻るのも面倒なのでそのまま駅を目指す。
 背中のリュックにはたっぷり防水スプレーを吹き付けてきたが、さてどれくらい持つのか。
 目的地であるユーウェルク卓球場に着く頃にはジャージが水を吸ってびしょ濡れになっていた。
 駐輪場で濡れた頭を拭いてから入り口をくぐると、受付にいたコーチと目が合う。
 先に行っていてくださいとのことなので、一足お先に4階卓球場へ。
 濡れたジャージを椅子にかけ、お試しで持ってきたビスカリアでサーブを出してみる。
 素材ラケットで下回転サーブを出すのが苦手で、今やるとどうなのかと楽しみだったがやっぱり難しい。
 それにしてもビスカリアってだけで恥ずかしいのは何故なのか。 
 上手な人しか扱えないラケットを上手では無い人が使う時の気恥ずかしさだろう。
 そういう意味では唯一無二のラケットかもしれない。
 1人でバタバタしていたらコーチの準備も出来て軽く挨拶をしてから練習開始となる。
 1週間ぶりなのでフォア打ちも覚束ない。
 フォアのテナジー25FXは家を出る30分前に貼ったばかりの新品ラバー。
 FXにしては硬めの打球感で、アルバに貼った時とは全く違う。
 アルバ+テナジー25FXは柔らかい打球感でスピードも出ないが回転はかけやすい。
 ビスカリア+テナジー25FXは硬い打球感でスピードも出て直線的。
 ラケットの影響は想像しているより大きい。
 バックのブルーストームz3は慣れてきたのかワンコースなら打ちやすい。
 コーチが打ちやすい球を打ってくれているからだろう。
 フォア打ちバック打ちの後はツッツキ。
 テナジー25FXのツッツキは低くて直線的。
 回転とスピードの強弱をつけやすく、一瞬のグリップ感があるので気持ちが良い。
 バックのツッツキもやってメインの対下回転打ちドライブを色々教わる。
 短いサーブの感覚練習として木ベラで打つ練習をしたりしながら、ひたすらドライブを打つ。
 テナジー25FXとビスカリアの組み合わせだとループドライブがやりやすい。
 自分で思っている以上に回転がかかっているようで、集球ネットでキュルキュル音がする。
 ループドライブとスマッシュがやりやすく、食い込ませるドライブは私には難しい。
 もともとループドライブばかりなのでそれでも良いのだが。
 残り10分くらいからはこちらのドライブをレシーブしてもらい、オール風の練習をする。
 これがとても楽しく、卓球はラリーが続くから面白いのだなと再認識した。
 フォアもバックもミートがやりやすくスピードも出るが、ライガンスピンやプラクソンなどと比べると回転の影響が大きい。
 気持ちよさとやりやすさのどちらを取るかはその時の気分によるが、ぎりぎり扱える範囲で威力も出る組み合わせに感じた。
 練習後にドライブの回転はかかっていたかと質問したところ、結構かかっていたとのことなのでこの組み合わせはもう少し試してみても良いかもしれない。
 1時間の練習が終わって帰路に着く。
 濡れたままのジャージが気持ち悪くて仕方が無いが、卓球を思う存分出来た満足感に背中を押されてペダルをこぐ。
 また雨が大降りになってきたが、楽しく卓球が出来たから文句は無い。
 卓球は楽しい。
 そして、
 このままずっと楽しく卓球を続けたいものだ。