若い頃は元気なのが普通だった。
 飲み過ぎて二日酔いになっても午後になればケロッと元気になる。
 食べ過ぎたかなと思っても、若々しい胃袋であっという間に消化してまたすぐ腹が減る。
 ところがどうだろう。
 年齢が上がるにつれて体の不調が増えてくる。
 頭が痛いとか腰が痛いとか膝が痛いとか肩が回らないとかお腹の調子が悪いとか食欲が無いとか夜中に何度も目が覚めてしまうとか、人によって症状は様々だが大抵どこか調子が悪い。
 なので何とか体調を良くしようと試行錯誤する。
 コーヒーを飲まなかった日は夜中トイレに起きなかったので寝る前は控えようとか、ビールを飲んだら睡眠が浅かったので寝る2時間前にはやめようとか、胃の調子が悪い時は油を取り過ぎた時と一致するから混ぜソバの油は少なくしようとか、膝を曲げずに靴を履くと腰が痛いから毎回ちゃんと座って靴を履こうとか、体の調子が良かった時悪かった時の実例から原因を探し出し対処していくという涙ぐましい努力をしてしまう。

 それと同じ事を卓球でもしている。
 バックドライブが上手く打てないと、もっとラケットを下に下ろしていたような気がするとか、手首はこんなに使っていなかったかとか、打点が早すぎかなとか、ボールをしっかりみてないなとか、いやいや相手のラケットを見るんだったとか、前回のラケットと比べて弾みすぎだからダメなんだとか、良かった時の記憶と比較して原因を探している。
 
 そもそも打っている相手が違うんだよなあ。
 だから調子が悪いとすぐにラバーやラケットを注文するのは辞めようぜ。
 もう手遅れだけど。