卓球迷宮地下1階

~貼ったり はがしたり また貼ったり~

カテゴリ:卓球個人事情 > 卓球雑記

 ナルコさんときっちり練習した後、ハチ公前でつじまる師匠と待ち合わせ。
 ところがいくら探してもつじまる師匠が見つからない。
 二手に分かれてハチ公の周りをぐるぐる見て回るが、それらしい人影が無い。
 メッセージを送ると、信号の側にいるとの返事。
 信号って、どの信号?

 
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大都会 渋谷のイメージ

 
 コロナ騒動で皆マスクしているから全然分からん。
 オヤジ狩りやチーマーがその辺の暗闇に潜んでそうで怖いんだよ。
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オヤジを狩る直前 イメージ

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悪だくみ中のチーマー イメージ
 


 ナルコさんが無事つじまるさんを見つけ出したときは心底ホッとした。
 
 3人揃って渋卓を目指す。
 こういう都会でのナルコさんは実に頼りになる。
 すぐに迷子になりそうな私やつじまるさんを引き連れてグイグイ歩く。
 ナルコさんは都会の人らしく歩くのがめっぽう速い。
 ぼやぼやしていると置いてけぼりになりそうで、必死に付いていく私。
 手でもつないでもらえば良かったか。


 何年ぶりかの渋卓は、リニューアルしたのかすっかりおしゃれになっていた。
 どの台もうら若き女性で溢れていて、華やかで楽しそうである。
 もちろんちっとも羨ましくなんか無いし、俺たち仲良し3人組に女性の入る余地なんか無いし。
 
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 卓球台は立派だが、いかんせん狭い。
 ちょっと強く打って球が逸れると、お隣の楽しげな若いグループの邪魔をしてしまう。
 天井も低いし、通路も狭いので、油断していると料理を運んでいるスタッフの頭をスマッシュしてしまいそうだ。
 ここは大人しく備え付けのラバー貼りラケットで遊ぶとしよう。
 
 
 渋卓は単なる卓球場では無く、飲み食いしながら卓球で遊べるのが売りなので、飲食も充実している。
 流行のタブレット端末でポチポチ注文すると、スタッフが運んできてくれる。
 実に手軽だ。
 問題は飲み食いするスペース。
 ベンチのような物があるので座る場所はあるが、3人横並びでは話も出来ない。
 そもそも酒やつまみを置くスペースが小さい。
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 ビール瓶3本が精一杯の、オマケ程度の台を囲んで乾杯をする。
 飲んで、食べて、手が空けば卓球。
 これの繰り返し。
 これが結構楽しいのだ。
 もっとも酒が進むにつれて卓球はどうでも良くなり、本格的に腰を据えて飲みたくなってきたが・・

 1時間30分などあっという間にすぎる。
 30分1000円とお高いので長居は禁物だ。

 アルコールを摂取しながら運動をした結果、少ない酒で効率よく酔っ払った我々3人のほろ酔いダンディたちは、これまた若者でいっぱいのマクドナルドでハンバーガーをパクつき、しばしの余韻に浸るのであった。
 
 
 
 
  

 五感から呼び起こされる感情の記憶がある。
 自転車をこぎながら受ける風の強さや都心の交差点で信号待ちをしているときのエンジン音、夏の暑い日に近所の家から漂う醤油だしの香り、田舎饅頭を口にしたとき舌の上に残る重曹の苦み。
 日常的によくあるそうした何気ない刺激が、普段は意識していない感情の記憶を呼び起こす。
 特別な記憶では無い。
 むしろ当たり前の、時間も場所も定かでは無い、霞のかかったような記憶だが、何故か鮮やかな感情へ結びついている。
 それは物心も付かぬ幼い日の記憶もあれば、つい最近経験した記憶の場合もある。
 
 ある特定の場所も引き金となり得る。
 その場所を通り過ぎるとき、楽しかった記憶、楽しいことが待っているという期待感、そういった感情が心の奥底から湧き出て、理由が分からず混乱するときがある。
 なぜこんなに幸せな気持ちになるのか。
 どうしていつもここに来ると嬉しさでいっぱいになるのか。
 
 
 ちょっと前までは、家族3人で卓球を楽しんでいた。 
 今は部活を引退してしまった娘と、体が不調で練習から遠ざかっている妻。
 練習場所は公民館、コミュニティセンター、体育館、公園の卓球場、この4カ所だった。
 その時はあまり意識していなかったが、夫婦や家族で卓球で遊ぶことがよほど楽しかったらしい。
 他の用事であっても、上記のような場所に向かう道に出ると、薄暗い公民館で遊びながら練習したことや、娘と二人で何台も台出しをした体育館、まだ始めたばっかりでまともに打てなかった私と公園の卓球場で打ってくれたときの妻の表情などが、つい昨日のように蘇る。
 卓球のことを思い出すのではなく、楽しかったという感情だけが蘇るときもある。
 なぜこんなに楽しく幸せな気持ちになるのかと不思議になり、あれこれ記憶を遡った結果、そうか卓球の記憶だったかと思い至る。
 公民館の予約をするために、早朝から自転車をとばしたことや、毎回先着争いをしていた男性と競争になったことや、結局予約を取れずにガッカリして帰宅したことも、今となっては楽しかった記憶として残されている。
 実際に練習したことより、練習に向かう時の事を良く覚えていて、それは今でも変わらない。
 これから卓球の練習をするぞ、という幸福感はなかなか他では得がたいものだ。
 

 そういうわけで、公民館へ続く曲がり角に立つと、いつでも私の顔は自然とほころんでしまうのだ。



「母ちゃん、また俺のウェア勝手に着たな」
「 正男の服は派手だし汗もすぐに乾くから丁度良いのよ」
「もー、やめてくれよ。母ちゃんが着るとワンサイズでかくなるんだよなあ。 あーあ、伸びてロゴが潰れちゃったよ」
「悪かったわね、引き締めインナーを着れば大丈夫だと思ったんだけど」
「そういう問題じゃな、あっ、ウェアのパンツまで履いたのかよ。」
「やっぱりセットで着た方が良いかと思ってね、コーディネイト的に」
「うわー、ゴムゆるゆる。ホント、勘弁して欲しいよ。だいたいサイズが全然合ってないだろ」
「これくらい小さい方が動きやすいのよ。フットワークも軽くなるし」
「だからって無理矢理息子のを履かなくてもいいじゃんかよ。これじゃずり落ちて友達に笑われちゃうよ」
「 ごめんごめん、伸ばさないようにお腹に力を入れてたんだけど、やっぱりダメだったかねえ」
「もう絶対禁止ね、俺のウェア着るの」
「分かった分かった、部活行くんでしょ、早く用意して行ってきなさい」
「 もうこんな時間か。えーと、靴は持ったし、タオルも持ったし、あれ、ケットが無い」
「あっ、返し忘れた」
「何だよ母ちゃん、ラケットまで勝手に持ち出したのかよ。早く返してよ。練習遅れちゃうよ」
「ちょっと待ってて、すぐ持ってくるから。はい、確かに返したからね」
「当たり前だろ、大事なラケット黙って持ち出すなよ。うわ、グリップがぬるぬるする。何だよこれ、汗・・クンクン・・・ニベアかよ。臭いよ、最悪だよ。それになんで変な飾りが付いてるんだ。なにこの羽みたいなひらひら。こんなのラバーに貼り付けてたら先輩に殺されちゃうよ 」
「やっぱりひらひらが無いと寂しくてねえ。」
「意味分からないよ。なんだよ寂しいって。だいたい母ちゃん、卓球なんかやらないじゃんか。何に使ったんだよ」
「ほら、駅前にできた新しいビル知ってるだろ」
「ああ、何かできてたね」
「あそこに凄い店見つけちゃってさ。母ちゃんが若い頃流行ってたジュリアナ東京にそっくりのディスコ。最近すっかりはまっちゃって良く踊りに行っているのよ」
「まさか母ちゃん」 
「色々イベントやっててね、今週はスポーツコスプレをしていると優先的にお立ち台で踊れるっていう」
「う、う、う、うああああああああああああああああああああああああああああああ」 

 明日の練習に持っていくラケットを選定中なのだ。
 ①インフォレS DNA H ヴェガX
 ②キョウヒョウ301 省狂NEO3 ラザンターV42
 ③ピュアカーボン ネクサスEL  マントラS
 ④PF4 太陽 スキュラ
 ⑤神龍木(ラージ)

 賢明な読者ならお気づきのことと思うが、この中にMASAKI福袋ラバーが入っていない。
 初使用ラバーも、貼ったばかりラバーも無い。
 うーん、どうなだろう。
 
 DNAもネクサスも、ジサマバサマ相手しか使っていないので、生きのよい若者(つじまるさん)の球を受けたらどうなるのか、きちんと把握しておきたい。
 よって、今回はこの4本+ラージで行くことにする。
 明日の朝になったらまた違う気分になっていて、慌ててラバーを貼ったりしている可能性も否定出来ない。
 
  いつになったらラケット1本だけ入れたバッグを片手に、颯爽と練習に向かえるのだろうか。
 このラケットをぎゅうぎゅうに詰め込んだ大きいリュックは、いつまで私の背中にあるのだろうか。

 明日の卓球教室にはどのラケットを持っていくか。
 UltimateOffensive2にQ5が一番良さそうだけど、インフォレSにDNAをもう一度試したいし、ピュアカーボン&ネクサスプロ、カルテットLFC&エアロックM、キョウヒョウ301&省狂NEO3も試したい。
 上手な人ばかりだったら使い慣れているUltimateOffensive2が無難かな。

 なんだか結局身の丈に合っていないラケットばかりだ。
 
 そういえば未だにライガンスピンを買っていない。
 ライガンは好みの打球感では無かったが、ライガンスピンは良さそうだ。
 価格も安いので手を出しやすいが、ヴェガXもほぼ同じ価格なので迷うところだ。
 いや当分買うつもりはないんだけどね。

 明日になったら気分次第で決めることにしよう。
 元気があったら素材系。
 無ければ両面GTTみたいに。

 
  ここまで書いて寝てしまったが、はて今はどんな気分だろうか。
   エアロックM、かな?
   
 

 
  

 まもなく2019年が終わろうとしている。
 あれこれ振り返ろうとしたが、綺麗さっぱり記憶から失われている。
 慌てて過去記事を見返すと、今年はWRMの正月セールから始まったようだ。
 そのままリンさんと葛飾区まで移動して、卓log会の練習会に参加している。
 なかなか良いスタートを切ったらしい。
 その後、ユーウェルク卓球場の個人レッスンNetIn&EdgeBallClub練習会を中心に、卓log会の練習やLiliでレッスンを受けたりしている。
 今年の特筆すべき事柄の一つに、月曜昼間餃子会の発足がある。
 いわば卓log会のスピンオフ企画だが、楽しいので来年も開催できると嬉しい。
 
 用具の話で言えば、今年のメインはUltimateOffensive2とQ5であった。
 UltimateOffensive2は色々ラバーを試行錯誤したあげく、フォアQ5バックマントラSでほぼ固定された。
 ラケットの購入は意外と少なく、年始にくじであたった王道04、リンさんからもらった神威、PF4、ラバー貼りラケット、フォーティノフォース、それと年末に買ったインフォレス(めんどうなのでこれでいく)。
 中華ラバー巡りも一段落して、最近はキョウヒョウばかり買っている。
 
 
 ナルコ師との珍道中も定番化の勢いで、来年もRedT TokyoPingPongBaを超える新名所を訪問してみたい。

 技術的にはあまり進歩が無く、体は衰えていくばかりである。 
 年末になって、体力回復の切り札リングフィットアドベンチャーを購入したので、年明け頃には相当シェイプアップされているはずだ。

 同時に卓球を始めた娘は中学3年生となり部活を引退。高校では続ける気は無いとの事なので、自分の中でも一区切り着いてしまった感もある。
 
 来年の目標
 ①無駄なラケットは買わない
 ②欲しいラバーがあっても一度冷静になって考えて、それでも欲しかったら買う
 ③のりすけさん業務用は1年に1本
 ④使わない怪しげな用具には手を出さない
 ⑤セールに踊らされない

 用具の目標ばかりだ・・
 
 以上!
 
  

 一口に鉄道ファンと言っても様々なジャンルに分かれるらしい。
 興味が無い私から見たら皆同じに思えるが、当事者からしたら大きな差があるそうだ。
 音楽にしたって演奏が好きな人、鑑賞が好きな人、音響マニアと色々ある。その中でもさらに細分化されるだろう。
  隣接したジャンルの人とはある程度話もできるが、差異が大きくなるともはや共通の趣味とは言えない。
 
 卓球もしかり。
 試合で勝つことを目標にしている競技者に近い人、健康目的や練習そのものが楽しい人、試合観戦が好きな人、用具が好きな人、選手に興味がある人、等々。
 練習中には気にならないこの違いが、飲み会の時には結構気になる。
 
 卓log会のメンバーを例にとって話を進める。
 下図を参照して欲しい。


メンバーグラフ

 



 




















 私が無理矢理聞き出したメンバーそれぞれの興味の志向を割合で示したグラフである。
 合計が10に満たないメンバーが何人かいるが、共通の項目以外をどうしても選択せずにはいられなかったメンバーなので、今回は除外。彼らが何に割り振ったのかは卓log会の公式ブログを見て欲しい。
 
 

 このグラフは試合に対する興味の割合が大きい順に並べ替えてある。
 当たり前だがメンバーのほとんどはこの割合が高い。
 なのでみな大会を通しての知り合いだったりもする。
 この割合が低い人にとっては、試合の話自体は興味を持って聞くことが出来るが、知り合いの知り合いとか、誰それが強いとか、その辺になるとどうにもならない。
 
 技術は総じて高い傾向にある。
 技術は練習と言い換えることも出来る。
 ただし飲み会などで技術の話題で盛り上がることはあまりない。

 観戦は曲者だ。
 ここに数値を割り振っている人は海外の選手から昔の選手から次世代の選手まで詳しいことが多い。
 ほとんど興味の無い私にとっては鬼門である。

 用具も一筋縄ではいかない。
 例えばナルコさんは、飲み会で用具の話になるとあまり参加してこない。
 立野Bさんも用具の割合が少ないが、あくまで割合の話であって決して量は少なくない。
 一見用具の割合が多いように見えても、試合志向が強い人にとっての用具は、試合に勝つための用具である。あまり極端な用具やマイナーな用具は話題に上らない。中華ラバーの話より、テナジーのスポンジ厚による違いとか、G1とV15の違いとか、何かそんな感じの話になる。
 逆に試合志向が少ない人にとっては、色々な用具をただ試すことそのものが楽しいのである。
 誰も聞いた事の無いラバーの話とか、WRMの新作ラバーの話とか、そっちのほうで盛り上がる。
 かみ合うようでかみ合わない。
 

 さて上記グラフにもう一度目をやる。
 試合志向の割合が少ない下位グループに属するのはナルコさん、リンさん、立野Bさん、つじまるさん、そして私である。ほぼ月曜昼間餃子会のメンバーである。
 厳密に言えばナルコさんもリンさんも試合には進んで出るタイプだ。
 ただそれだけではなく、卓球そのものを楽しもうという姿勢が見られる。
 立野Bさんも近いポジションである。
 
 卓球好きにも色々ある。
 ただそれだけの話。
 私は飲み卓。
 つじまるさんは楽卓。
 ナルコさんはネタ卓。
 
 
 あなたは何卓?
 
  

 ネットインすれば万歳三唱、エッジボールなら人差し指を突き立てた下品なポーズで相手の神経を逆撫でする。
 そんな卓球界の鼻つまみ団体、NetIn&EdgeBallClubが生まれ変わります。
 
 相手にネットインやエッジボールで得点をされたとき、すまなそうにされても嬉しくないし、かといってラッキーを連呼されても腹立たしいですよね。
 もっとお互い朗らかな気分で卓球をしたいものだと熟考したあげく、以下のように振る舞うことを決定いたしました。

 ネットイン、またはエッジボールで得点をした側は
 爽やかな笑顔で明るく朗らかに
 「お、悪いね」
 という感情を表現します。

 こんな感じ
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 一方得点された側は、嫌な顔をしたり苦笑いをしたりするのではなく、
 「やるじゃない」
 と、ラッキーな得点をした相手を祝福します

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 またはこんな感じ

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 ネットインあるいはエッジボールでの得点が、決して卑下するようなセコい得点では無く、ギリギリを狙った結果の素晴らしい得点である事を、広く卓球界に認知させていきます。

 賛同される方はNetIn&EdgeBallClub公式ユニフォームを販売していますので、是非購入して活動の輪を広げていきましょう。
 

 真に受けないでくださいね

 











 大人になってから卓球を始めると、ポイントポイントで壁にぶつかる。
 その壁は決して越えられないので、見なかったことにして迂回するか、壁など存在しないかのように振る舞うか、妥協しつつとりあえず前に進むか、どれを選択したにせよ、すぐにまた同じ壁に向き合うことになる。
 その壁とはいわゆる経験者の壁。
 社会人になる前に、まとまって継続した練習をしているか否か。
 反復練習による卓球人らしいフォームや動きが身についているか否か。
 そこには大きな壁、あるいは溝がある。
 そしてその壁は年齢が上がるにつれて大きくなり、身体能力の衰えも合わせると絶望的な気分になる。
 50歳近くなって、卓球部の中学生や高校生のように、グラウンドを何キロも走って筋トレをやって、素振りをして、週5で練習して週末は試合に行って、なんてことが出来れば壁を乗り越えることも出来るかもしれないが、まずできない。
 もしかしたら強い弱いには関係ないのかもしれない。
 ただただ経験者のような動きにはなれない。
 傍から見ていても、経験者かそうでないかはすぐに分かる。
 お年を召していても、学生時代やっていたような人は動きが違う。 
 体が辛くてついつい避けてしまう動きやポジショニングを無意識にやっている。
 まさに三つ子の魂百まで、 である。
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 上の画像間違い

 このことは自分の経験からも明かである。
 私と当時小学生の娘は同時に卓球を始め、かたや週に1度の練習の大人、かたやクラブチームから卓球部と毎日のように練習していた娘。
 いつまでたっても初心者のような動きの私と比べて、娘の動きはどこから見ても経験者。
 
 弱いのは我慢できる。
 スタートラインに立てないのはつらい。
 
 なぜだがしんみりした文章になってしまったが、数少ない大人卓球初心者にエールを送ろう。
 気がつかないうちに、少しずつでも上達しているのは間違いない。
 小さな気づきで大きく飛躍するときがある。
 停滞していた分だけ喜びも大きい。
 1歩進んで2歩下がるというが、確実に3歩は歩いているのだ。
 出口のつもりが入り口でも良いではないか。
 そこが卓球迷宮の入り口だとしても。


 
  

 数年前のことだ。
 同じ卓球教室に通っていた少し先輩の女性、ここではKさんとする、がいた。
 私と同じように40歳過ぎてから卓球を始めたそうで、それなりに上手だったが、あくまで大人卓球初心者の範疇であった。
 そのうち卓球教室は辞めてしまったが、卓球は続けていたようで、たまに地域の卓球場に行くと練習している姿を見かけることもあった。
 私は妻や娘と練習しているのだが、Kさんは1人で練習していた。
 1人で卓球台を用意して、自前の球出しマシンをセッティングし、集球ネットを張って、黙々と多球練習をしている。
 一緒にやろうと声をかけて、3人で順番に練習することもあったが、基本的には1人で練習している。
 聞けばここで4時間くらい練習した後別の場所に移り、そこでは先生の指導を受けながら練習しているらしかった。
 毎日の様にマシン練習とレッスンを受け、月に何度か試合にも出ているが、なかなか勝てないと嘆いていた。
 Kさんの先生は厳しい方らしく、フォア打ちのフォームを駄目出しされて、 会う度にフォームの修正をしていた。十分上手なのだから他の練習をすれば良いのにとか妻と話していたものだ。
 1度か2度だが2人で練習したときもあった。
 Kさんは体力があって、4時間くらいならほとんど休み無しで付き合ってくれるので、定期的に練習相手になって欲しいと思っていたが、今よりさらに下手くそだった私の相手では、ほとんど練習にならなかったに違いない。

 最後にお会いしたのはいつだったか。
 まだ何時間か練習時間が残っているにも関わらず、疲れたと言って引き上げてしまった時があった。
 何だか憑きものが落ちたような顔をしていた。
 卓球から離れるのかな、と寂しい気持ちになった。
 それ以来Kさんの気配が消えてしまって、2度と会うことは無かった。
 卓球に注いだであろう熱量を考えるとき、すっかり足を洗ってしまったとは信じ難い。
 今でもどこかでラケットを振っているに違いないと、そう考えることにしている。


  

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