卓球迷宮地下1階

~貼ったり はがしたり また貼ったり~

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 俺は今走っている。
 何で走っているかだって?
 それじゃお前に聞くけど、目の前に見たことの無い飛行物体が大挙して現れたらどうする?
 飛行物体とか勿体ぶって言ったけど、つまりはUFOだ。
 そりゃ走って追いかけるだろう。
 右も左も前も後ろも同じ考えの暇人共が息を切らせて走っている。
 おっちゃんもおばちゃんも学生もサラリーマンもご隠居もみんなだ。
 気がつくと俺たちのすぐ上を飛んでいたUFOが段々高度を落として着陸態勢に入っている。
 おっと自己紹介が遅れた。
 俺の名前は貴絽良介。
 高校生、卓球部員、補欠、恋人募集中。
 以上。
 間近に迫ったUFOのうち、一番大きいヤツがぴかぴかと光り始めた。
 一体何だと思う間もなく垂直に降下しだして、目の前に着陸しやがった。
 まあ本来なら色々描写しなくちゃイケないんだけど面倒なので省略ね。
 UFOが着陸してハッチ見たいのがぱかっと開いて、内側が光で溢れているよくある映像を思い出してくれ。
 そんでもって光の中から人影?が二つ降りてきたんだ。
 俺も周りのみんなも目を凝らして見てたね。
 危険を感じなかったかというともちろん感じていたさ。危険より興味が勝っただけだ。
 いわゆる野次馬根性というヤツだ。
 そうこうしているうちに降りてきた宇宙人がどんな姿か見えるようになってきた。
 2人に内ひとりは銀色のフィットしたウェアを着ている恰幅の良いおっさん。
 もう1人は、同じ素材のウェア、ただしビキニ姿のグラマラス美女。
 どちらも地球人と変わらない気がするけど、よく見りゃ額に角が生えている。
 逆に違いはそれくらい。一見ね。
 当然オッサン宇宙人なんかに興味は無い。
 セクシー美女宇宙人を食い付くように眺めていたさ。
 この頃になると取材の記者やカメラマンがワンサカと集まってきて、騒然としていたね。
 何が始まるのかと思ったらオッサン宇宙人が拡声器を取り出して喋りだした。
 「地球の皆さんこんにちは。私たちは遠くの星から来ました。そして今からこの星は私たちの所有物になります」
 一瞬何を言っているのか分からなかったが、ようは地球を占領しに来たらしい。はるばる遠い星からご苦労なことだ。
 「そうは言っても皆さんも納得できないでしょう。それで私たちはあなた方にチャンスを与えようと思います。私たちとある競技で勝負をしてもらいます。その勝負に負けたら私たちは大人しく引き下がります。もし私たちが勝ったら7時間以内に全ての国を破壊します。地球人は9割以上死にます。」
 「その競技とは何だ」
 人混みの後ろから同じように拡声器を通した声が聞こえてきた。
 聞き覚えがある。地元の市長だ。
 「あなた方の言葉で言えば 卓球 です。こちらの代表は横にいる娘です。あなた方の代表を一名選出して下さい。試合会場はここ、試合開始は明日のこの時間です。それではお待ちしてます」
 一方的に喋って宇宙人達はハッチの内側へ消えてしまった。
 何だ卓球って。
 なぜ卓球で勝負なんだ。
 宇宙人のすることはさっぱり分からない。
 どちらにしても俺には関係ない話だ。
 見る物も見たし家に帰るとしよう。
 再び上昇しだしたUFOの大群を背に帰路についた。


 ボロアパートに着いたら驚いたね。
 市の職員が2人待ち構えていて、地球人代表に選ばれたから明日の勝負に出ろとかぬかしやがる。
 もちろん俺は断った。 
 だいたい選出理由がネットで検索っていうのがおかしい。
 そりゃTwitterじゃ偉そうなことを散々書き散らしていたかもしれないけど、実力とは関係ないだろ。
 でも結局は出ることになった。
 あのセクシーな美女宇宙人を間近に見たいってのもあったし、勝っても負けても地元の大学に入れてくれるってのが決め手になった。
 
 あっという間に試合当日。
 対戦相手の美女宇宙人は、昨日と同じ銀色のビキニを着ている。
 額の角は気にならないが、他の部分が気になって気になって仕方が無い。
 もはや反則だろ。
 試合の内容はクドクド書かない。
 読んでもつまらないだろ。
 最終的に勝ったのは俺だ。
 卓球の腕前では全く敵わなかったけど、前日に考えた作戦、「ビキニの紐を狙ってスマッシュ」が見事に決まったのさ。
 おちそうな水着を抑えながらじゃ本来の実力も発揮できないだろう。
 とにかく勝ったのは俺。
 大学入学を勝ち取り、ついでに地球も救ってやった。
 美女宇宙人(名前はアムとかそんな感じの発音)は悔し涙を浮かべていたけどね。

 その後平凡な日常に戻ったのかと思いきや、何故か俺のことを気に入ったアムが俺と同じ高校に入学してきて、他の宇宙人まで巻き込んで、卒業までなんやかんやと騒動が続いた。
 俺は楽しかったけどね。
 
 さてここまで読んで、あの有名なマンガのパクリとか思ったヤツ、手を上げて。
 違うから。
 この話は本当にあった事だし、むしろこっちがオリジナルだから。
 俺の体験談を聞いて、インスパイアされたのがあっちだから。
 以上。
 
 
 
 
 
 
  

 珍しく連休だった先週の月曜日、巷で話題の滞在型卓球ステーションに行ってきた。
 まだ関東だと一カ所しか無いらしいので、存在自体知らない方の方が多いかもしれない。 
 簡単に説明すると、卓球場とショップ、入浴施設、飲食店、ホテルが一つになった複合型施設で、ガチの卓球プレーヤーから私のようなエンジョイ道楽派まで、卓球好きなら一度は訪れたい聖地のような所だ。

 私は今回初めてなのだが、ご一緒したAさんは既に何度も利用しているようで、コース選びから予約まで全てお任せしてしまった。Aさん、いつもありがとう。
 入り口で名前を伝えて入場券を購入すると、バーコード付きのリストバンドを渡される。施設内の支払いは全てこのバーコードで管理されているので、お金を持ち歩く必要が無い。
 早速練習といきたいところだが、卓球台がある部屋に行くには必ず卓球ショップを通る必要があり、この辺は上手く出来ている。ラケットは若干種類が少ないが、ラバーはメジャーどころは押さえてあり、ついつい品定めしてしまう。 価格は定価の20%引きくらいか。よくある都心の卓球ショップをイメージして欲しい。
 体育館のような広々とした場所に卓球台が20台ほどあり、すでに8割方埋まっている。
 平日昼間と言うことで、シニアの方が多く、熱心に汗を流している。
 一番奥の一角では卓球教室が行われているらしい。年配のコーチらしき人が球出しをしていた。
 当然我々も2時間みっちり練習をして、タオルで汗を拭きながら会場を出る。
 卓球場からさらに奥に進むとお目当ての入浴施設がある。
 この入浴施設が結構な設備で、これだけでも客が呼べそうな立派なものなのだ。
 サウナはもちろん露天風呂、岩盤浴、リラックススペース、マッサージ部屋まである。
 ゆったりと温泉につかって身も心もリラックスした我々は、浴衣に着替えて上のフロアへ向かう。
 
 2階は広々とした食堂と、いくつかの飲食店が入っていて、美味しい食事とアルコールが楽しめる。
 100人は収容できそうな食堂はこれまた大きなステージが中央に設置されていて、音楽演奏やダンス、マジックなどのパフォーマンス、そして一番の目玉である卓球のエキシビションマッチが行われている。
 卓球エキシビションマッチがお目当てだったので、その時間を狙って行ったわけだが、流石に席はほぼ満席だった。
 試合というよりエンタテインメントに寄ったショーになっていて、暗闇でも見やすい光るピンポン球を使ったど派手なラリーや、露出の多いセクシーな衣装を身にまと・・おっとっと。

 すっかりほろ酔い加減になった我々が向かうのは、またもや卓球台のある部屋。
 この卓球場はゆとりをもったレイアウトになっていて、卓球台の他にソファーやテーブルがあり、談笑しながら楽しく遊べるようになっている。
 卓球をしても良し、会話を楽しんでも良し。アルコールの持ち込みもOKなので、仲間内でわいわい盛り上がることも出来る。20歳以上限定の有料オプションプランもあるらしいので、興味のある方は問い合わせをして欲しい。
 我々は浴衣にスリッパという温泉卓球そのものの格好でしばし打ち合う。
 ここの卓球台は最先端の技術が導入されていて、打った球のスピードや回転数が数値として表示されるばかりでなく、スイングスピードと実際の球速、回転数とのギャップが記録として残され、ギャップを補うためにオススメの用具まで教えてくれる。
 アルコールで気が大きくなった利用者は、結構な割合でオススメされたラケットやらラバーやらを購入してしまうのだ。
 私もご多分に漏れずラバーを2枚ばかり・・・・

 十分遊んだ後はまた飲み直しても良いし、そのままホテルの部屋に向かっても良い。
 私も翌日出張で無ければ一泊したかったのだが、それはまた次の楽しみとする。
 運動して、食べて、飲んで、遊んで、実に楽しい一日であった。
 こうした複合型卓球ステーションが、地元にも出来ると嬉しいのだが。
 


  

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